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ーもっとアイロンがけを楽しんでほしいー エクストリームアイロニングジャパン 松澤等

たびたびテレビなどでも取り上げられるエクストリームアイロニング。取り上げられるとなんとなくおバカなスポーツのようにも見えますが・・・。今回はエクストリームアイロニングジャパンの松澤等さんにエク
ストリームアイロニングとはどんなスポーツなのか、エクストリームアイロニングを通じて何を訴えたいのか、お話をうかがいました。

-そもそもエクストリームアイロニングはどのようにして生まれたのでしょうか?

松澤 1997年にイギリス人のフィル・ショウというアルピニストが家の裏庭でアイロンをかけていたんです。すると鳥のさえずりや洗濯石鹸の香りなど、すごく気持ちいがいいことに気が付きました。そこで自分のフィールドである山でアイロンがけをしたらもっと気持ちいのではないか?というのがエクストリームアイロニングが生まれたきっかけです。その後、アメリカやドイツなどでも行われメディアにも取り上げられるようになりました。

-松澤さんはどこでエクストリームアイロニングを知りましたか?

私がオーストラリアに住んでいたころにテレビの番組で取り上げられているのを見ました。ホームステイをしていたのですが、その家庭では家族それぞれにアイロンがあり、自分もアイロンがけを多くこなしていました。エクストリームアイロニングをはじめて見た時は「ふざけている」「自分の方がもっとうまくできる」と言った気持ちでした。

もともとトレイルランニングをしていたのもあり、日本に帰ってきてから様々な場所でエクストリームアイロニングをやりました。まず筑波山で実際にはアイロンがけをしないポーズでエクストリームアイロニングを行ったのですが、鳥肌が立つような気持ちよさでした。これは本当にアイロンがけをしたらものすごい感覚を得られるのではないか、そんな予感がしました。

-どんな場所でアイロンがけをやってみたんですか?

とりあえず手っ取り早くエクストリームアイロニングを見てもらうのは「街」だということで渋谷のスクランブル交差点や、東京駅の丸の内の横断歩道、銀座ソニービルの前などでエクストリームアイロニングをやってみました。自分で限界を決めるのではなくまずはやってみよう、と言うことです。

エクストリームアイロニングの仲間として認められるため、水中でやったこともありました。もちろんアイロンがけは出来ないし、アイロンも壊れてしまいました(笑)そして何が難しいかと言えばシャツをたたむことが一番難しいんですよね。

以前鳥取砂丘でやろうとしたのですが、許可がおりませんでした。しかし、他の大企業のイベントなどは許可がおりる。正直悔しい思いもしました。

銀座三越のライオンの像の上にも乗ってエクストリームアイロニングをやったこともありました。めちゃくちゃ怒られました。そんなことをやっているうちに、「これは違う。これでは馬鹿の一発芸じゃないか」。
そこでこういったパフォーマンスのようなエクストリームアイロニングは封印しました。

2010年に世界のエクストリームアイロニングの団体と意識のすり合わせを行い、「パフォーマンスはなし」「スポーツとしてエクストリームアイロニングを行う」「街中はなし」「ただ面白写真を撮るだけが目的なのは無し」「熱源をしっかりととってアイロンがけをする」といったようにスポーツとしてエクストリームアイロニングを行う方向になりました。

スポーツとしてもっとエクストリームアイロニングを広げていきたい。スポーツは競技性があって初めてスポーツになります。そこで1.5キロのコースに5つのアイロンがけポイントを設置し、そこでいかにハードでダイナミックなアイロンがけができるかと言った芸術点、しわがちゃんと伸びているのかといった技術点、そしてゴールまでのタイムで争う競技としてのエクストリームアイロニングが開発されました。

-エクストリームアイロニングの世界大会などは行われているのでしょうか?

2002年にドイツのミュンヘンで1回だけ行われたことがあります。その後は写真だけで審査する大会が行われただけです。海外の大会ではスポンサーも付いた入りしたのですが、アイロンに興味がある人は少なく、またアイロンは長く使える道具なので商売になりづらいため、現在は行われていません。

またエクストリームアイロンはテレビなどでも取り上げられますが、誤解をされるような取り上げ方だったり、すぐに忘れられてしまいます。エクストリームアイロニングをやってみたいと言う方も増えるのですが、本来なら許可を得る必要がある場所でも勝手にやってしまい迷惑をかける人などもいます。

そこで10年かけてエクストリームアイロニングを変化、進化させてきました。日本ではガイドラインを作成しています。まだ公にはなっていませんが、サイトの作成を含めて公開を検討しています。

-パナソニックのサイトでもエクストリームアイロニングを題材にした販売促進のプロモーション動画が公開されていますね

はい、我々エクストリームアイロニングを行っている人間のしっかりとしたアイロン技術を見せることが出来たと思っています。エクストリームアイロニングを起用して動画を作ることはパナソニックにとってリスクしかないのではと考えていました。危険な場所で行ったり、重たいアイロンを様々に動かすことで誤解されたりイメージが低下するのではないかと。

狭い世界ですが、エクストリームアイロニングの世界ではイギリス、ドイツ、日本が世界3強と言われていました。その中で日本の技術で作られたパナソニックのアイロンで勝負をしたい、という思いを組んでいただき、動画にも起用していただきました。これによってまた沢山の人にエクストリームアイロニングを知ってもらうことができました。

アイロンがけは日本だけでなくアジア全般に言えますが、まだまだ男のマーケットは薄いです。男性が料理をすることはかなり定着してきましたが、男性がアイロンがけをすることをもっと普及させていきたいです。例えば蕎麦打ちなんかはお店の前で職人さんの技術を見ることができます。アイロンがけも蕎麦打ちのようにカッコいいと思われる環境を作りたいですね。

-確かに自宅でアイロンがけをする男性は少ないかもしれませんね

エクストリームアイロニングジャパンには現在17名(内女性1名)が参加しています。ほとんど結婚していますが、アイロンがけは男性が行っています。これからはトレーニングとしてのアイロンがけも面白いかもしれません。体感を意識してアイロニング、上腕二頭筋を意識してアイロニング、左腕でアイロンがけすれば右脳の活性化、夏汗だくになりながらアイロニング。そして最後にプロテインを一気に飲むくらいの感覚です(笑)ビリーズブートキャンプのようなスタジオエクササイズ、ヨガのようなヒーリング効果のあるアイロンがけも考えていきたいです。

それに家事をしたら家族にも喜ばれます。むしろアイロンがけは男性がやるべきです。そのためにメーカーには男性向けのアイロンも出して欲しいですね。

-エクストリームアイロニングは松澤さんにとってどういったものでしょうか。

茶道や柔道のような「道」的な感じが強いですね。例えば山に登ったら気分も高揚するのですが、その高揚した気持ちをアイロンがけをして落ち着かせる。心を納めている感覚です。もちろんスポーツ性も大切です。基本的には山や自然環境の中でアイロンがけをすること、そこで達成感を得ることがベースになります。

他のスポーツと組み合わせることもありますが、まずは組み合わせるスポーツをリスペクトするためにしっかりとそのスポーツに取り組みます。そのうえでアイロンがけと組み合わせることも大切ですね。エクストリームアイロニングを真似する人もいますが、危険性もしっかりと認識してほしいとも思います。山で行うことは危険を伴いますし、アイロンは火も使う、重いということも忘れてはいけません。

-これからの目標を教えていただけますか?

エクストリームアイロニングの原点はフィル・ショウさんが体験した「裏庭でおこなったアイロンがけが気持ちよかった」と言うところにあると思います。まずはアイロンがけを楽しんでもらい、アイロンがけをする人を増やすのが目標です。その中からスポーツとしてのエクストリームアイロニングに向かってくる人が増えてくるかもしれません。また学校で習わないので、アイロンには自由さがあります。いつもは部屋の中でアイロンがけをするだけかもしれませんが、ちょっとベランダでアイロンがけをしてみるだけでも新しいアイロンの魅力に気が付くかもしれませんよ。

-松澤さん、ありがとうございました!

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