障害者スポーツ

日本障害者セーリング協会

【この記事は旧スポトークの記事を再掲しています。日付などは当時のものです。】

どんな障害を持っていても楽しめるエコなスポーツ

パラリンピックにも出場権権のある日本障害者セーリング協会強化委員長・日本チーム監督の水津さんにお話を伺いました。

より多くの人に海の楽しみを

―まずは日本障害者セーリング協会について聞かせてください

seiringu1平成2年にヨットエイドジャパンとして「より多くの人に海の楽しみを」という目的で設立されました。活動内容としては体験セーリングなどの普及活動から障害者スポーツの最高峰でもあるパラリンピックの出場まで幅広く活動しています。

―パラリンピックにも出場されているんですね

過去にシドニーとアテネのパラリンピックに出場しました。現在2012年のロンドンパラリンピックに向けて準備をしているところです。

―パラリンピックに出場するためには大会などに参加するのですか

はい、ちょうど2010年7月9日から14日までの日程でオランダで世界障害者セーリング選手権が開催されます。そこに出場する予定です。パラリンピックに出るためにはこの大会で上位に入賞し、来年同様の大会がイギリスで開催されるので、そちらでも上位に入賞する必要があります。パラリンピック出場権は14カ国に与えられます。2010オランダで7カ国、2011イギリスで6カ国が決定します。イギリスが2012開催国権で成績にかかわらず参加することが決定しています。

セーリングでパラリンピックを目指すのはとても大変

―海外での活動が多いですね。セーリングと言えば当然ヨットが必要になると思うのですが、輸送費もかなりかかりますね

seiringu2今回は出場権を獲得する大会なので、日本からヨットを輸送することはせず、アイルランドでヨットを借りて、オランダまで陸路で輸送する手はずになっています。それだけでも数百万単位の費用が必要になってきます。また、輸送だけではなく、借りたヨットは状態が悪い場合もあるので、その際はチーム全員で船底の掃除や修理などを行ったり、場合によっては改造も行わなくてはなりません。そういった費用もかかりますね。

―ヨットを新しく作る場合の建造費もかなりかかるんでしょうか

順調にパラリンピックに出場が果たせた場合には、オリジナルのヨットを建造しなくてはなりません。その場合の費用も1000万程度とかなり大きな額になってきます。

―障害者の方がヨットを操作する場合には特別な改造とか必要なのでしょうか

障害者セーリングは様々な障害を持った方がヨットを操作します。例えば今回のオランダ大会に出場する選手は全盲の方だったり、下半身不随の方もいらっしゃいます。ヨットの操作は通常ですと船上を動き回ることが多いのですが、下半身が不自由な方だと動くことが難しくなってしまいます。そういった場合は簡単に移動できるような改造をしたり手すりなどを付けたりしています。

―ずいぶん改造しなくてはいけないんですね

ただ、競技する場合は基本的にヨットは軽いほうが有利です。なので大会やパラリンピックに出場するときにはできるだけ普通のヨットに近付けられるようにしています。そのために選手たちも日々練習しています。ただ、本来であれば全員集まってヨットを使った練習をしたいのですが、本格的な障害者向けの練習環境があるのが愛知県の蒲郡にしかないため合同練習は月に一回ほどしかできていません。

―考えてみたらヨットで練習するのは大変ですね

まず練習場所を確保するのが大変です。ヨットを係留する費用や蒲郡までの交通費など。今は持ち出しでやっていますが、事業仕分けもあり予算的にはかなり苦しくなっています。そんな中でもできるだけヨットの感覚を忘れないために夢の島で開催されている一般のヨットレースや練習にも参加しています。

ボーダレスなスポーツ

― 一般の方とも一緒に練習できるのですか

seiringu3障害を持たれている方にとっては非常に不便ですが、一般のヨットを操作することも可能なので練習することができます。また、ルールも基本的には一般のルールと変わらないため、障害者と健常者で競技をすることも可能です。そういった意味では障害者スポーツの中でもセーリングは少し面白いスポーツなのかもしれません。また、障害者スポーツは通常障害の種類によってカテゴリーわけがされているのですが、セーリングはそれがありません。様々な障害を持つ方が、最適なポジションで力を発揮する、チームプレーのスポーツなのかもしれませんね。

―どんな方でもセーリングを楽しむことができるというわけですね

様々な障害を持たれている方、もちろん健常者の方とも一緒に楽しめるスポーツです。もちろんヨットの上で海の風を感じることもできる魅力的なスポーツだと思います。

―それでは最後に今後の目標を教えてください

まずは今年と来年ある世界選手権で2012年ロンドンパラリンピックの出場権を勝ち取ること。そのあとは2016年のリオデジャネイロパラリンピックでの入賞を目指して体制をしっかりと整えていきます。

―ロンドンパラリンピックに出場ができるよう頑張ってください!ありがとうございました。

編集後記

お話を聞いていると予想以上にヨットは費用がかかることを実感しました。最近ではアジアの中でも中国、韓国の対応が目覚ましいそうです。これからより厳しいチャレンジが続くかと思われます。そしてヨットはどんな方でも受け入れる懐の深いスポーツだと感じました。海や船、またはヨットに必要な風に関係する企業の皆様。自社のイメージアップのためにも応援をよろしくお願いたします。

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